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今年の夏の富士登山は、よくニュースになった。コロナ明けで登山客も多く、救助要請も多かったそうだ。
私は静岡市山岳連盟の理事をやっていることから、先日山岳救助に携わる人たちと話す機会があった。「今年はものすごく出番が多かったのでは」と尋ねると、とても疲れた様子でとんでもない救助要請の実態を教えてくれた。
気軽に救助隊を呼ぶ。 タクシー代わりに呼ぶ。
そんな非常識な登山客が目立ったそうだ。 富士山に限ったことではない。 必死の思いで救助に行くと 「疲れちゃって」という人や、 「山小屋入っていたら元気になりました」 という人までいたらしい。 |
私は「それっぽっちの体力で行くな」と思うのだが・・・。
登山用品店で道具を揃えると1人前になった気になるもの。YouTubeで情報もたくさん拾えるので、無茶をするのだと思う。だから経験が浅い人ほど救助要請が多い。
なぜそういう人が増えたのだろうか。おそらくケータイの普及だろう。
富士山は全部電波が通じる。山奥でも稜線に出ればdocomoは通じる。それを悪用しているのだろう。救助要請者は男女とも50〜70歳くらいの年代が多いそうだ。
あまり知られていないが、県警の救助隊は花形部署だ。志願者がたくさんいて、順番待ちがいるほど人気の部署なのだ。命をかけて救助に向かう任務を、若者たちが志願していることはなんとも頼もしい。わたしも一緒に捜索活動をすることがあるが、志しが高く厳しい訓練も積んでいるので、危険な場所も雪山も勇気を持って探し行く。見ていてヒヤヒヤしてしまうのだが。
そんな彼らの気持ちを思うと、非常識な救助要請はやめてもらいたい。
節度ある利用をお願いしたい。