スタッフブログ
私は長年の登山の経験を活かし、要請があると山の捜索活動に参加することがある。
登山は楽しい半面、道迷いが多く危険もつきものだ。私自身、「やばい!」と焦った時が過去2回あった。
人が道に迷う時のほとんどが下りだ。登る時は大抵迷わない。上りはゆっくり確実に進むが、下りは気が急いて早足で進むからだろう。曲がるべきところをまっすぐ入ってしまう、獣道に入ってしまうなど、気が付いたら「あれ?!誰もいない!」となって焦り始める。そうすると、迷った人たちは「下りだ!とにかく下りよう」と考える。それでどんどん下って行くと、沢筋に入ってしまう。するとそこで滑ることもある。日本の山は大なり小なり滝もある。そこで落ちてしまうケースも少なくないのだ。
では遭難した時はどうすればいいか。
正解は「とにかく上に登る」ということ。まず、元いた場所を目指してみる。たとえ元の場所に戻れなかったとしても、どんどん山の上を目指してもらいたい。日本の山は必ず道があるので、てっぺんまで登れば発見してもらいやすい。助かる確率も高くなるのだ。
私も経験があるが、どんどん暗くなっていくので遭難する人はとにかく焦るものだ。
異常気象が続く時代。登山中に天候が急変し、道に迷ってしまうこともあるかもしれない。そんな時は焦らず「上を目指す」ということを、心掛けてもらいたい。